概要

371系は1991年に登場した特急形電車である。登場の経緯は1991年に「あさぎり」の特急格上げの際に車両を小田急とJRで相互直通運転を行う事になったため、小田急がRSEこと20000形を投入したのに合わせて1編成製造された。

よって国鉄及びJRで数少ない1編成のみの系列である。

外観

RSEと同じく7両編成で3号車と4号車はダブルデッカー車となっている。車体は屋根と出入台と売店部分がステンレスである以外は普通鋼である。塗装は100系新幹線と同じ白色に窓周り(ダブルデッカー車除く)が青色に塗装されている。先頭部は3次元曲線で構成された大型曲面ガラスで、6枚の3次元曲面ガラスで構成し、屋根まで一体感あるデザインとなった。即扉は外引き式のプラグドアが採用され、側面と一体感あるデザインとなった。

内装

座席はリクライニングシートが基本で、グリーン車は茶色・普通車はグレーを基調としている。サロハ371のデッキには車販準備室が設置されており、車内販売の基地となっている。

性能

電装品や台車は211系等で実績のある界磁添加励磁制御が採用された。御殿場線内の急勾配に対応するため、主電動機は120KWでダブルデッカー車の除く5両が電動車となったため、5M2Tと電動車率が高めで急勾配区間でも100km/h以上での走行が可能である。

パンタグラフは当初菱形だったが、2009年頃にシングルアームに交換されている。マスコンは東海で初めて右手操作のワンハンドルタイプを採用した。

運用

当初の計画通り「あさぎり」に使用された他、ホームライナーとしても運用された。前述したように本形式は1編成しか無いため、検査で離脱してる時は20000形が代走していた。登場以来「あさぎり」として運用されてきたが、「あさぎり」の利用客減少に伴い、2012年3月改正から小田急のMSEこと60000形に変更されたため、20000形と共に「あさぎり」から撤退した。

その後は波動用として団体列車や臨時列車等に使用されていたが2014年11月30日に臨時急行「御殿場線80周年371」をもって引退した。

その他

本形式は1編成しか無い上に他系列とは異なる独自の要素がある。

在来線車両で唯一オレンジ色が無い
白色で青色に塗装された窓周りは0系・100系と同一である。

特急形で唯一界磁添加励磁制御が採用されている
普通・快速用では211系・213系・311系で実績があるが、特急車では371系のみでの採用に留まったため、373系以降はVVVFに以降している。

客用扉がプラグ式
新幹線では300系の初期車でプラグドアが採用されたが、在来線では本形式のみである。更に新幹線車両のプラグドアは全て内側にスライドするタイプなので外側にスライドするのは本形式のみである。

ダブルデッカー車
新幹線では100系でダブルデッカー車が採用されたが、在来線では本形式のみである。

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